やらなきゃ良かった整形、やって良かった整形

 ちょっと過激なタイトルを付けましたが、やらなきゃ良かったというより、コスパの良い整形・悪い整形についてです(プチ整形含む)。
 割りと色々整形というか、美容医療系のことに手を出している方なので、自分なりに「これはコスパが良い・悪い」という感覚はあります。やったこと自体については、基本的に全部良かったと思っているのですが、「これだけの費用・痛みには見合わないなぁ」というのは、正直あります。
 おそらく一般的に興味を持たれるのは「やらなきゃ良かった」とか「失敗」系の方だと思うので、そちらを先に書くと、まず個人的には顎プロテーゼが一番辛かったです。
 顎プロテーゼそのものがダメ、という意味ではなく、術後の固定が悪くてプロテーゼが中でズレる、という、レアな事故のせいです。このせいで一ヶ月くらいマスクが外せず更に再手術、という、散々な目に合いました。どちらかというと「固定は大事!!」という教訓です。
 固定を疎かにしてしまったのは、わたしがテープかぶれしやすい体質だからです。テープかぶれが色素沈着するのが怖くて、早めに固定を外してしまったのですね。こういうバカなことをしなければ、多分問題なかったのでは、と思います(オペ自体に何か不手際があった可能性もありますが)。
 また、正直顎プロテーゼは異物感があります。今ではすっかり慣れてしまって気にならなくなりましたが、心理的なものもあって、術後結構な間ずっと気になっていました。口の中の縫合箇所を柔らかくするよう、何度もステロイド注射を打ちました。これは実際にある異物感と、心理的ストレスによるものと、両方の要素があったかと思います。
 顎プロテーゼ自体を否定的には思っていませんし、結果として形は良くなりましたが、場所が場所だけに異物感が残る可能性というのは覚悟しておいた方が良いです。
 個人的には、一度ヒアロなどで形を作ってみて、それが本当に気に入ってからプロテを入れるのでも遅くないと思います。コストは余計にかかりますが、心底納得してからの方が良いです。
 次に「コスパが悪い」ということでは、脂肪吸引とサーマクールがあります。
 脂肪吸引は、ウェスト顎下をやっていて、何度も書いていますが、「体重を減らす」という目的なら、全く割りに合いません。脂肪吸引で取れる脂肪の量は極僅かなもので、物凄い体重のある人でもマックス3キロくらいではないでしょうか。わたしの場合、肥満という程でもなかったので、ラブハンドル(背中側の腰の肉)を取って300gも減っていないです。また当然ながら、取れるのは皮下脂肪だけで、内臓脂肪はどうしようもありません。あくまで「ピンポイントで気になる脂肪を取る」ものです。
 次にサーマクール
 サーマクールは、コンセプト的には好きなのです。前向きで。これが2、3万程度の価格だったら、気楽にどんどんやりたいです。
 でもあの値段で、あるんだかないんだか分からない程度の効果、そして何より猛烈に痛い!ということを考えると、正直割に合いません。メスを入れるのがイヤ、というなら良いですし、またダウンタイムもゼロですが、某ドクターなど医者のくせに「サーマクールやるならお金ためてフェイスリフトしな」とズバリ言っていたくらいです。
 せめてもうちょっと痛くなければね・・・。
 あの痛みのレベルは、美容医療系全般の中でも一二を争うと思いますよ(笑)。
 コスパというのとはちょっと違いますが、限界があるというか、「効いている時間がイメージより短い」のが、埋没法やスレッドリフト。
 スレッドリフトはやったことがないので、聞いた話から考えているだけですが、どちらも最初は劇的な変化があっても、数年で効果が消える、あるいは加齢で打ち消されてしまうところがあります。スレッドリフトには色々種類があるので、スプリングリフトなどは結構持つようですが、実質的ダウンタイム(安静にする必要があるわけではないが、スレッドの影が気になるなど)が割りと長い割には「持ち」が悪いように感じます。
 これらとは違いますが、鼻尖縮小も多少「戻り」があります。一ヶ月目くらいが一番小さくなるので、その後どうしても戻ったような印象があります。ただし、軟骨をいじって縫い合わせている場合は、完全に元に戻ってしまうということはありません。あくまで相対的で部分的な「戻り」です。
 ヒアルロン酸ボトックスは、元々「期限付き」というか、定期的に打たないとダメなものですが、特に筋肉の多いところへのヒアルロン酸注射や脂肪注入は、相当お金をザブザブ使う気でないとやっていられないでしょう(筋肉の多い箇所は吸収が早い)。胸をsub-Qで作る人もいますが、なくなるのはあっという間でしょう。
 また、ヒアルロン酸を入れるということは、なんであれ身体の容積が「増える」ということで、大局的にはたるみを生む原因になりかねない部分があります。個人的には、量的にたくさんヒアロを入れるのは気が進みません。
 その代わり、ダウンタイムは実質ゼロですし、リスクも低いですから、ピンポイントで使うにはとても安全で良いと思います。わたし自身もボトックスと、部分的なヒアルロン酸(目の下、唇など)はちょこちょこ使っています。
 ボトックスで注意が要るな、と思うのは、やりすぎるとかえってやつれた感じになることです。
 特にエラボトックスは、打てば確かにエラは細くなり痩せた印象になりますが、場所によってはやつれた感じになる上、肉が下がって口元がモタつくことがあります。この辺はエラとどっちを気にするか、という選択になるかと思います。エラボトは控えめ位が安全でしょう。
 個人的に特に「やって良かった」と思うのは、豊胸フェイスリフトなどの大きい手術です。切開法も良いです。
 これらはお金もかかるし、身体の負担も大きいし、手術から一定期間はしんどい思いもします。ただその代わり得られるものも絶大ですし、コストに見合った満足が得られています。
 また、ずっとスケールは小さいですが、シミやホクロのレーザーも手軽で確実です。
 ただしホクロについては、CO2でそこそこ削るケースが多く、場合によっては凹みが残ってホクロより余程不自然で目立ってしまう場合もあります。特に身体は瘢痕になり易いです。ホクロくらいあっても別におかしなものではないので、あまりやり過ぎない方が良いかと思います。
 フォトフェイシャルとかその他の光美容系は、多少やったことがありますが、エステに毛が生えた程度ではないでしょうか。相当回数をやり込めば違うかもしれませんが、あんまり期待しすぎない程度で受けた方が良いと思います。
 そういう細かいことの積み重ねが結構な差を生むのも事実なので、スキンケアと一緒で地道にやっていく価値はあるでしょうけれど。
 一つ忘れていましたが、美容系というより形成外科の分野として、傷跡修正は素晴らしいです。
 わたし自身は、実はかなり最初期に傷跡修正を受けて、その効果がすっかり気に入って、美容系に惹かれていったくらいです。普通の人はそんな酷い傷跡などないので関係ない話ですが、何か身体に目立つ傷跡があって気にしているようなら、傷跡修正の得意なドクターを探して形成外科の門を叩いてみることをオススメします。腕の良いドクターにかかると、本当にびっくりするくらい改善されます(まったくのゼロにはならない)。また、ケースによっては保険適応になります。
 ただし、傷跡修正の効果が大きいのは、元の傷が大きく目立つ場合です。傷跡修正自体も手術ですから、それ自体でメスを入れるわけですし、本当に微些細な傷跡の場合、別に改善しないかもしれないし、かえってヤブヘビになるかもしれません。盛り上がったケロイド状の瘢痕がある場合などは非常に有効です。
 それほど目立たない小さな傷跡を改善するには、手術ではない方法を考えた方が良いかと思います。
 念のためですが、以上はあくまで個人的な感覚です。「やって良かった」「やらなきゃ良かった」「割に合う・合わない」というのは、個人の悩みや気にする度合い、優先順位などに大きく依存しますから、実際上はひとりひとり違う筈です。また、ドクターの得手不得手や、単なる運にも左右されると思います。あくまで参考程度に考えて下さい。